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知らない世界

第5章 仲直りのお礼

次の日、家まで車で迎えに来てくれた櫻井さん。


「よしっ、何が食べたい?」

「何でもいいです。櫻井さんにお任せします」


相変わらずビシッ!とスーツの櫻井さん。
やっぱ・・・カッコいい。
俺みたいなガキが一緒にいても、いいんだろうか?


「今日はちょっと大人っぽいな」

「そうですか?」

「俺と飯食いに行くのに、ちょっと頑張ってみたって感じだな」

「そんなこと・・・ないですよ。
いつも通りですよ」

「そういうことにしておこうかな」


何か凄くガキあつかいだな。
まぁ、間違いなくガキだから、何も言い返すことはできませんけどね。


「よし着いたぞ」


俺みたいなガキは場違いな料亭。
こんな格好で来てもよかったのだろうか?
何となく店に入るのをためらってしまった俺。


「どうした?」

「俺、何か場違いじゃないですか?」

「全然平気。さぁ入ろう」


俺の肩に手を回し、一緒に店に入った。


「櫻井様、奥のお座敷へどうぞ」


一般のお客から離れた静かなお座敷へ通された。


「何でも好きなものたのめ」

「櫻井さんにお任せします」

「お任せお任せってお前・・・」


やっぱり俺、場違いだって。

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