テキストサイズ

知らない世界

第38章 領域

「おっ、お前結構感度良さそうだな。
お前のこの可愛い口で、あいつにいつも奉仕してるのか?
どれだけ上手いか試してやろう」


ヤバい、こんなヤツのなんか舐めたくないよ。
何か鼻息荒くなってきてるよコイツ。
ズボンのファスナーを下ろしかけたとき、電話がなった。


「チッ、これからってときに・・・俺だ!」


ふぅ~・・・助かった。


『お前達もこっちへ来て待機しろ』


他の連中もここに集まって来るようだな。


「気が失せたよ。
お前ら暴れないように見張っておけ」


でも何で俺なんだ?
あの組の若で息子、2代目のかずじゃなくて俺なんだろう。
もちろんかずが拐われなくてよかったと思ってるけど、どうして俺なのかと疑問をもつ余裕がある俺って凄い?それともバカなのか?
それにしても血は止まることなく流れ出てくる。


「うぅぅぅ・・・」

「お~おかわいそうに・・・痛いか?
お前んとこの組が、俺達名張組再興の推薦状を素直に書いてくれさえすれば、こんな痛い思いしなくてもすんだのによ」

「推薦状?」

「あぁ。
他の組はちょっと脅しただけで、すぐに書いてくれたけど、お前んところは2、3人病院送ってもなかなかな書いてくれなくてな。
で、最終手段でお前を拐ったって訳だ」

「あいかわらず汚ねぇ手を使いやがるぜ。
まぁ、俺がケガしようとテメェらに屈する組じゃないぜ」

「それはどうかな」


外で車から人がおりてくる音がすると、倉庫の中に他の連中が入ってきた。


「こんなに人数集めないと、あの組とはまともにやり合えないってか?ふんっ、情けないねぇ」

「口の減らねぇガキだぜ」

「あっ・・・」


顔を殴られ、椅子から転げ落ちた。
引きずりあげられまた椅子に座らされた。
ふと頭を上げると、来たばかりの仲間に目がいった。


「・・・あっ!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ