
知らない世界
第38章 領域
薄暗くてはっきりしないけど、その中には神崎さんの姿があった。
「かん・・・」
「潤!」
かずかもって言ってた神崎さん。
拐ってきたのが俺とわかり、驚きの表情。
俺の方に向かってこようとしたけど、俺は首を横に振り、足を止めさせた。
その時、男の電話がまたなった。
『もしもし、二宮組の若頭、櫻井さんですか。
先ほどから電話してましたが繋がらなくて・・・
そちらからお電話いただけるなんて恐縮です』
何が恐縮ですだよ。
『あなたの可愛い彼氏を助けたかったら、推薦状を書いて持ってきて下さい。
ー断るといったら?ー
そうですね・・・料理人になる夢を叶えられなくしてあげす。
それと・・・
ーそれと・・・何だ?ー
可愛い彼氏の綺麗な体を、抱けないくらいにしてあげます。
もうすでに姑息な真似してくれたんで、左足に穴空いてますけどね』
椅子から引きずり下ろし、撃たれた足を踏みつける。
「うわぁぁぁっ!」
痛みで叫んだ。
『かわいそうに・・・
返事次第で再起不能になっちゃいますよ』
「翔さん、コイツらの言うことなんか聞くな!
俺の事なんてどうでもいい。駄目だ、翔さん!」
「うるせぇ、黙りやがれ!」
近くにいた組のヤツが俺を殴った。
殴られる俺を見ている神崎さんは、辛そうな顔をして目を背けた。
『ーやめろっ・・・少し時間をくれー
わかりました、今すぐって言うのは無理でしょうから、朝まで待ちましょう。
朝、空き倉庫まで来てください。
それまで彼は大事にお預かりします。
お待ちしてますよ、櫻井さん』
俺はまたあのときのように、みんなに迷惑をかけてしまった。
今さらだけど、あのとき俺がカチコミに行かなければ、こんな事にならなかったのに・・・
「おいっ、止血してやれ。
コイツは大事な人質だからな。
逃げ出さないように、ちゃんと見張ってろよ」
殴られた痛みと足の痛みで意識が朦朧としていると、誰かが足にさらしを縛ってくれた。
「かん・・・」
「潤!」
かずかもって言ってた神崎さん。
拐ってきたのが俺とわかり、驚きの表情。
俺の方に向かってこようとしたけど、俺は首を横に振り、足を止めさせた。
その時、男の電話がまたなった。
『もしもし、二宮組の若頭、櫻井さんですか。
先ほどから電話してましたが繋がらなくて・・・
そちらからお電話いただけるなんて恐縮です』
何が恐縮ですだよ。
『あなたの可愛い彼氏を助けたかったら、推薦状を書いて持ってきて下さい。
ー断るといったら?ー
そうですね・・・料理人になる夢を叶えられなくしてあげす。
それと・・・
ーそれと・・・何だ?ー
可愛い彼氏の綺麗な体を、抱けないくらいにしてあげます。
もうすでに姑息な真似してくれたんで、左足に穴空いてますけどね』
椅子から引きずり下ろし、撃たれた足を踏みつける。
「うわぁぁぁっ!」
痛みで叫んだ。
『かわいそうに・・・
返事次第で再起不能になっちゃいますよ』
「翔さん、コイツらの言うことなんか聞くな!
俺の事なんてどうでもいい。駄目だ、翔さん!」
「うるせぇ、黙りやがれ!」
近くにいた組のヤツが俺を殴った。
殴られる俺を見ている神崎さんは、辛そうな顔をして目を背けた。
『ーやめろっ・・・少し時間をくれー
わかりました、今すぐって言うのは無理でしょうから、朝まで待ちましょう。
朝、空き倉庫まで来てください。
それまで彼は大事にお預かりします。
お待ちしてますよ、櫻井さん』
俺はまたあのときのように、みんなに迷惑をかけてしまった。
今さらだけど、あのとき俺がカチコミに行かなければ、こんな事にならなかったのに・・・
「おいっ、止血してやれ。
コイツは大事な人質だからな。
逃げ出さないように、ちゃんと見張ってろよ」
殴られた痛みと足の痛みで意識が朦朧としていると、誰かが足にさらしを縛ってくれた。
