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知らない世界

第5章 仲直りのお礼

「んっ?どうした、俺の顔に何かついてるか?」

「いやっ、別に・・・」


慌てて目をそらし、ケーキを食べた。


「俺に聞きたいこと、思い出したか?」

「櫻井さんはどうして、ヤ⚪ザになったんですか?
どうして、かずの世話役になったんですか?」


何のひねりもない、ベタなストレートすぎる質問。


「どうして・・・か。あれは・・・」


もう一度グラスにお酒を注いだ。
そのグラスを持ち、これまたドラマのワンシーンのようにベランダに出た。
俺も後をついてベランダに出た。
かずの親父さんとの出会い、親がいない櫻井さんは本当の父親のようにしたっている。
かずのお世話役も、兄弟、友達のいないかずに話し相手、遊び相手としてが始まりだった。


「こんなところかな。これでいいか」

「何かドラマみたいですね」


部屋に入り、ソファに座り、残りのケーキを食べ終わると、お腹が一杯で睡魔が襲ってきた。


「俺、そろそろ帰ります。
今日はありがとうございました。
凄く楽しかったです」

「もう帰るのか・・・じゃあ送るよ」

「櫻井さん、お酒飲んだから駄目です。
1人で帰れますから」

「大丈夫。遅いから一人歩きは危ないよ」

「俺、か弱い女子じゃないですよ。
飲酒運転のほうが危ないです」


玄関に向かった。



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