知らない世界
第5章 仲直りのお礼
「おいっ、潤!」
呼び止められ、振り返るとケーキの箱を持って追いかけてきた。
「ケーキ、忘れてるよ」
「すみません、ありがとうございます。
・・・あっ」
ケーキを受け取ると、かずの家から送ってもらったときのように、ギュッと抱きしめられた。
「どうしたんですか、櫻井さん。
離してもらえますか?」
「男に抱きしめられるの・・・嫌か?
嫌なら俺を押し退ければいい」
「嫌じゃないです。
俺にも理由はわかりませんが、むしろ心地いいです。でも・・・」
「でも、何だ?」
「お酒臭いです」
「ハハハッ・・・それは悪かったな。
やっぱ家まで送るよ」
「だけど・・・」
「大丈夫だよ。送らせてほしいんだ」
「はい、お願いします」
車の鍵を持ち、部屋を出た。
もらったケーキを膝の上に置き、外を黙って見ていた。
「これからも若の事をよろしくたのむ。
お前さえよかったら、また遊びに来てやってくれ」
「はい・・・」
またあいつの話だよ。
お世話役だから仕方がないけどさ。
「俺は学校でのあいつのお世話役じゃないっつうの」
「んっ?何か言ったか?」
「いえっ、別に」
呼び止められ、振り返るとケーキの箱を持って追いかけてきた。
「ケーキ、忘れてるよ」
「すみません、ありがとうございます。
・・・あっ」
ケーキを受け取ると、かずの家から送ってもらったときのように、ギュッと抱きしめられた。
「どうしたんですか、櫻井さん。
離してもらえますか?」
「男に抱きしめられるの・・・嫌か?
嫌なら俺を押し退ければいい」
「嫌じゃないです。
俺にも理由はわかりませんが、むしろ心地いいです。でも・・・」
「でも、何だ?」
「お酒臭いです」
「ハハハッ・・・それは悪かったな。
やっぱ家まで送るよ」
「だけど・・・」
「大丈夫だよ。送らせてほしいんだ」
「はい、お願いします」
車の鍵を持ち、部屋を出た。
もらったケーキを膝の上に置き、外を黙って見ていた。
「これからも若の事をよろしくたのむ。
お前さえよかったら、また遊びに来てやってくれ」
「はい・・・」
またあいつの話だよ。
お世話役だから仕方がないけどさ。
「俺は学校でのあいつのお世話役じゃないっつうの」
「んっ?何か言ったか?」
「いえっ、別に」