
知らない世界
第41章 襲名披露
またスーツに着替え、お見送りのために外へ出ると、何だか胸の中が何と言うか、モヤモヤしてきた。
「酒飲んだ訳じゃないのに何だろう。
モヤモヤと言うか、胸騒ぎと言うか・・・」
そんなことを思いながら、俺は翔さんとかずの隣に立ち、組長さん達を順番に見送った。
最後に俺に話しかけてきた組長さんが車を待っていると、一台の車が走ってきた。
あまりスピードも出さず、ちょっとゆっくり走ってくる車。
誰一人気にした様子はないけど、俺は何だか気になって目が離せなくなった。
じっと見ていると、その車の後部座席の窓が開き、そこから銃口が見えた。
俺はその銃口が翔さんに向いているのがわかった。
「危ない!」
俺は叫びながら、かずと翔さんの前に飛び出した。
「くたばりやがれ!」
その声と同時に銃声が聞こえた。
「う゛っっっ・・・」
そのうちの数発が俺の背中に当たった。
「潤・・・おいっ潤!」
かずと翔さんの腕の中に崩れ落ちていった。
逃げる車を組の人達が追いかけ、笑えるくらいあっという間に捕まえた。
あのとき逃げた名張の残党だった。
「救急車・・・救急車を呼べ!」
「ダメッ・・・呼ばなくて・・・いい」
「何言ってるんだ。呼ばないと・・・」
「ダメだよ、こんな大事な席で救急車なんて。
縁起でもない・・・」
「こんなときにいってる場合か」
「こんなのたいしたことねぇよ。
車で病院だけどなたか連れていってもらえれば」
「俺が連れていきます」
神崎さんが名乗りをあげてくれた。
車に乗り込む前に、俺に声をかけてくれた組長さんに頭を下げ、襲ってきた連中に近づいていった。
「おい潤、どうするんだ?」
若い人達に押さえ込まれている名張の残党の前に、俺は膝をついた。
「酒飲んだ訳じゃないのに何だろう。
モヤモヤと言うか、胸騒ぎと言うか・・・」
そんなことを思いながら、俺は翔さんとかずの隣に立ち、組長さん達を順番に見送った。
最後に俺に話しかけてきた組長さんが車を待っていると、一台の車が走ってきた。
あまりスピードも出さず、ちょっとゆっくり走ってくる車。
誰一人気にした様子はないけど、俺は何だか気になって目が離せなくなった。
じっと見ていると、その車の後部座席の窓が開き、そこから銃口が見えた。
俺はその銃口が翔さんに向いているのがわかった。
「危ない!」
俺は叫びながら、かずと翔さんの前に飛び出した。
「くたばりやがれ!」
その声と同時に銃声が聞こえた。
「う゛っっっ・・・」
そのうちの数発が俺の背中に当たった。
「潤・・・おいっ潤!」
かずと翔さんの腕の中に崩れ落ちていった。
逃げる車を組の人達が追いかけ、笑えるくらいあっという間に捕まえた。
あのとき逃げた名張の残党だった。
「救急車・・・救急車を呼べ!」
「ダメッ・・・呼ばなくて・・・いい」
「何言ってるんだ。呼ばないと・・・」
「ダメだよ、こんな大事な席で救急車なんて。
縁起でもない・・・」
「こんなときにいってる場合か」
「こんなのたいしたことねぇよ。
車で病院だけどなたか連れていってもらえれば」
「俺が連れていきます」
神崎さんが名乗りをあげてくれた。
車に乗り込む前に、俺に声をかけてくれた組長さんに頭を下げ、襲ってきた連中に近づいていった。
「おい潤、どうするんだ?」
若い人達に押さえ込まれている名張の残党の前に、俺は膝をついた。
