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知らない世界

第41章 襲名披露

押さえ込まれているにもかかわらず、俺を凄い顔で睨み付ける2人。


「もうこんな事やめませんか?
こんな事しても、若頭は戻ってこない、名張は2度と再興てきないんです。
今回は見逃してもらいます。
でもまたするような事があったら・・・」


2人の胸ぐらを両手で掴み、耳元に顔を近付けた。


「かずや翔さん、組の人達にもしもの事があったら、そのときはゼッテェ許さねぇから。
俺があんた達をぶっ殺す・・・いいな」


顔を離し、掴んでいた胸ぐらから手を離した。
俺の事を睨み付けていた2人が、俺の目も見られなくなった。
俺はそのまま気を失い、後ろに倒れていった。
神埼さんと他の若い人が俺を抱えあげ、車に乗せて病院に向かった。


「胸騒ぎってこの事だったんだ。
あ~あ、今回はヤバイかもな」


意識がなくなっていくときに頭をよぎった。


「何発当たったんだろう。
このまま意識戻らないのかな?
もう翔さんに会えなくなるのかな?
嫌だな、翔さんに会えなくなるなんて嫌だよ。
会ってまた翔さんにギュッて抱き締めてもらいたいよ。
・・・あれ?この匂い、俺の好きな匂いだ」

「潤、目を覚ませよ潤。
頼むから目を開けてくれよ、潤」

「あれ、この声翔さん?
翔さんの声だ。どこにいるの翔さん。
翔さん」


真っ暗なところで、翔さんの声と俺の好きな匂いを探して歩いた。
目の前に光が差し、そこに向かって歩いた。


「あっ潤、気が付いたか?」

「あっ、翔・・・さん。
俺・・・助かったの?」

「あぁ、助かったんだよ。
3発とも運よく急所から外れてたらしくてな。
本当に運のいい奴だよお前は」


助かったんだ・・・


「もうあんなむちゃなことするな。
お前がいなくなったら・・・」

「翔さん・・・ごめんなさい」







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