テキストサイズ

知らない世界

第41章 襲名披露

「うん・・・」

「ところでお前、何であのとき泣いてたんだ?」

「自分でもわからない。
でも翔さんの姿見てたら、俺から離れていってしまうような、何か俺、一緒にいたらいけないんじゃないかって思ったら、涙が流れてた」


立ち上がっていた翔さんは、もう一度椅子に座り俺の手を握った。


「お前は俺と別れたいか?」

「別れたくなんかないよ。
翔さんがいない人生なんて、考えられない」

「もしかしたら命を落とすかもしれない。
俺か、あってはいけないことだけど、お前か」

「俺はヤ○ザじゃないけど、かたぎでもない。
そんな覚悟がなきゃヤ○ザに惚れたりしない」


俺の頭を優しく撫でた。


「俺もお前と別れる気なんかさらさらない。
お前が俺を守ってくれるように、俺もお前を絶対に守ってやる。
ヤ○ザの、武道覇と言われている俺を骨抜きにさせるくらい、お前は魅力的なんだよ。
だから余計なことは考えないで、今まで通り俺を心も体も癒してくれ。
まぁ、体の方はまたしばらくお預けになるけどな」

「もう、変なこと言わないで」

「ハハハッ・・・じゃあ行くな。
何かあったら、外の2人に言え」

「うん、わかった。・・・ねぇ翔さん」

「何だ?」

「チューして」

「ったく、本当に可愛いやつだな」


優しくキスをしてくれた。
翔さんと今まで通り一緒にいてもいいって思ったら、また何か涙が流れてた。


「潤、大丈夫か?」

「何かあったらいつでも声かけてこい。
外にいるから」

「ありがとうございます。
廊下なんて言わないで、中にいてください」

「昨日の今日だから、またわけわかんないやつが来たら困るだろ?」

「もう大丈夫ですよ。
中にいてくれた方が、俺も安心だから」

「じゃあ、交代で中に入るよ」

「お前のそのギャップが可愛いんだよな」

「そんなこと・・・」


俺、まる1日眠ってたんだ。
今さらだけど・・・






ストーリーメニュー

TOPTOPへ