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知らない世界

第42章 知らない世界

「違う、お前は何もやってない」

「じゃあ誰ですか?教えてください。
もう組の人みんな名前わかりますから」


その時部屋のドアが開いた。


「神崎の兄貴、2代目が意識戻りました」

「わかった、今行く」

「神崎さん、俺も連れて行ってください」

「・・・わかった。
おい、車椅子借りてきてくれ」


車椅子に乗り、ICUに向かった。


「神崎さんが入院していたとき以来です」

「あのときはよく来てくれたよな」


俺も中に入れさせてもらった。


「翔・・・さん」

「潤、大丈夫か?」

「人の事心配してる場合かよ」

「それだけ憎まれ口叩ければ大丈夫だな」

「ごめんなさい」

「お前が謝ることないんだよ」

「でも・・・」

「もう俺は大丈夫だから、部屋に戻ってゆっくり休め」

「坊主、心配なのはわかるけど、あまり長い時間はまだ・・・
お前も無理したら駄目だ」

「わかりました」

「神崎、潤を頼む」

「わかりました。
親父さんと若に、連絡してきます」

「またね、翔さん」


ICUを出て部屋に戻った。


「大野さんの様子も気になるから連れていってくれませんか?」

「もう今日は駄目だ。
また明日にでも先生に頼んで行けばいい。
無理するなって言われたばかりだろ?」

「うん・・・」


ベッドに寝かせてもらった。


「気分悪くないか?」

「はい、大丈夫です」

「俺は組に戻る。
若い衆がおもてにいるから、何も心配しないでいいからな」

「・・・ねぇ神崎さん、俺なんですよね」

「・・・。
2代目も意識戻ったしもう安心だ。
お前も早く治して、若に元気になった姿を見せに来てやってくれ」

「神崎さん・・・」

「もう全て終わった。
あとは組に任せればいい。さぁ、電気消すぞ。
何も考えないで寝ろよ」


神崎さんは廊下にいる若い衆に声をかけ、帰って行った。


「俺のこの手で・・・やっちまったのか?」







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