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知らない世界

第42章 知らない世界

ICUから個室に変わった翔さん。
会いに行きたくても行かせてもらえない。
聞きたいこといっぱいあるのに・・・


「先生、翔さんに会いに行って駄目ですか?」

「駄目だ。
2代目の事もだけど、お前も今無理したら退院が遅くなっていくぞ。
3発もくらっても全部急所外れてたんだ、本当に運が良かったんだぞ」

「・・・うん」

「その顔は会えなくて寂しいって顔じゃなくて、何か心配事があるって顔だな?」

「どうしても聞きたいことがあって・・・」

「・・・!?
もう終わったことだから、治ってからでもいいだろ?
どうせ退院したら、イチャイチャするんだろ?」

「あっ、はい・・・」

「普通に返事しやがったな。
まぁいい、ちゃんと飯食えよ」


部屋を出る先生。
先生も何か知ってるっぽい。

毎日毎日、若い人が交代で見張りと言うか来てくれている。
数日か経ったとき、LINEが届いた。


「えっ!?翔さんからだ」


かずや雅紀とかではなくて、翔さんだった。


『潤、大丈夫か?

ー俺の事心配してる場合かよー

俺はもうすぐ点滴がとれる。
とれたらすぐに退院する。

ー無理でしょ?ー

お前はしっかり治してから退院するんだぞ。

ー嫌だ。翔さんが退院するなら俺もしたいー

早くお前の顔が見たいよ』

『俺も翔さんに早く会いたいよ。
またLINEするね』


携帯を枕元に置くと、かずと雅紀が来た。


「かず、雅紀」

「潤、久しぶり会うのが病院なんて・・・
大丈夫か?」

「あぁ大丈夫。ありがとう」

「潤、何か悪かったな」

「かずが悪い訳じゃないよ。
たまたま俺が、みんなより早く気が付いたってだけだよ」





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