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知らない世界

第42章 知らない世界

「親父がお前にお礼を言っておいてくれって。
あとの事は任せておいてくれって」

「あとの事って?」

「えっ、昨日の・・・」

「あっ、あのぉ若ちょっと・・・」


若い人がかずを呼び、何か耳打ちしている。


「えっ!?・・・そうか、わかった」

「かず、昨日の事って?」

「あぁあれだ、小沢組の組長とか来たんだろ?
その事だよ」

「それだけか?他にも何かあるんじゃねぇの?」

「別に何もねぇよ。
何にも気にしないで、早く治せ」

「何か俺、お前達の話に入り込めねぇな」

「あっ、雅紀ごめんごめん」

「何かお前がどんどん遠くに行ってしまうような感覚だよ」

「バ~カ、どこにも行ったりしねぇよ。
俺達はいつまでも友達だよ」

「そうだな。
まぁ思ったより元気そうで安心したよ。
かずから連絡もらって、お前の顔を見るまで俺の心拍数、半端なかったからな」

「心配かけて悪かったな」

「じゃあ俺達行くわ。
あんまり長居してはお前に負担がかかるからな」

「治ったらまた遊びにいこうぜ」


わずか30分たらずで2人は帰って行った。
かずは何を聞かされたんだろう。
態度が一気に変わったよな。
みんな何を俺に隠してんだよ。


「LINE・・・してみよ」


携帯を手にするとLINEが届いた。
さっき帰ったばかりの雅紀からだった。


「帰ったばかりなのに・・・何だ?」


ー俺の頼みと言うか・・・ー
そんな言葉から始まっていた。


「何だよあらたまって・・・長っ!」


開いてみると普段送ってくるLINEからすると長い文章。


「長っ、珍しいな。
じゃあかずの運転で来たのか・・・
雅・・・紀?」




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