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知らない世界

第42章 知らない世界

退院する日、翔さんは若い人に支えられながら、俺の病室に来た。


「潤、どうだ?」

「翔さん、退院するの?」

「あぁ、2代目になったばかりで、組に迷惑かけるわけにはいかないからな」

「俺も帰りたい」

「バカ!ちゃんと治して帰ってこい」

「翔さん、俺・・・」

「何だ?お前のその顔つきは・・・
おい、ちょっと外で待っててくれないか?」


若い人を部屋から出した。


「お前のその顔は、心に決めた事があるって顔だよな。
盃かわしたときと同じ顔だ」

「俺、どうしたら翔さんを守れるかわかったんだよ」

「今でも十分守ってくれてるじゃねぇか」

「俺、退院したら組・・・」

「2代目、若頭が来ました」

「わかった、今行く」


大野さんが迎えに来た。


「潤、行くな。
とにかく治して、早く俺のところに戻ってきてくれ。
寂しすぎて、俺死んでしまうよ」

「うん、待っててね。
男でも女でも、浮気すんなよ」

「するわけねぇだろ。
俺にはお前しかいないんだよ」


どれくらいぶりだろう、翔さんとのキス。


「はぁ・はぁ・はぁ・・・」


何かを確かめ合うように舌を激しく辛めあった。
俺は翔さんの首に手を回すと、翔さんの唇は首筋におりていき、開いた寝間着からあらわれた乳首を舌先で舐めた。


「んっ・・・んっ・・・」


出そうになる声をおし殺していると、乳首から唇が離れ、もう一度キスをした。


「この続きはお前が治ってから、また足腰立たなくしてやるよ」

「約束だよ」

「あぁ、じゃあな」


翔さんは若い人に支えられながら、病室を出ていった。


「翔さんのバカ。
おさまりつかなくなっちゃったじゃねえか」


さっきのキスで、俺は・・・







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