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知らない世界

第42章 知らない世界

翔さんが退院してからしばらくして、俺も退院した。


「坊主、自分をもう少し大事にしろ」

「ありがとうございます。
でも俺には翔さんを守るって役目があるんで」

「何を言っても無駄かもな。
もはやかたぎじゃあねぇな、お前は」

「すみません・・・」


そんな会話をして、病院をあとにした。
これでまた翔さんと一緒にいられる。
嬉しいや幸せなんて言葉じゃ足りないくらいの気持ち。
自分の語彙力のなさに情けなくなる。


「あ~、やっぱ自分家はいいな」

「何か手伝うことはないか?」

「もうこれだけ動けるんで、1人で大丈夫です。
組に戻ってください」

「2代目の言う通りだ。
いつでも連絡してこい、遠慮するなよ。
2代目、早めに帰るって言ってたぞ」

「ありがとうございました」


どれくらい家をあけていたかな?それなりに散らかってはいるけど、思っていたほどではない。


「掃除は明日にして、買い出しにでもいくか」


久しぶりの車の運転に少し緊張しながら買い出しに行った。
家に戻り、食事の支度を終わらせると、さすがに疲れてしまいソファーで眠ってしまった。


「んふっ・・・うん・・・はぁん」


俺の好きな煙草の匂いがして目を覚ますと、目の前と言うか、翔さんと唇を重ねていた。
それに気がついた俺は、思い切り抱き付いた。


「イテテテッ・・・バカ、いてぇよ」

「あっ、ごめん大丈夫?」

「大丈夫だけど、お前力強いよ。
でも潤、お帰り。本当に悪かったな」

「そんなこと気にするなよ。
2代目組長がいちいち謝ってんじゃねぇよ」

「2代目組長も、可愛い潤にかたなしだよ」

「もう一回キスして」

「キスだけでいいのか?」

「無理すんなよ」

「お前が動けばいいだけだろ」

「もう・・・あっ・あっ・・・あんっ」






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