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知らない世界

第42章 知らない世界

「ホテル行くか?」

「ホッ、ホテル・・・何て・・・」


俺はホテル何て行ったことがない。
学生のときは彼女はいなかったし、翔さんとはいつもマンションだから、急に言われて軽いパニック状態。


「そんな・・・いいよ、帰ろう」

「何でだ?たまにはホテルもいいぞ。
部屋も広いし風呂も大きい。
ベッドも大きいしAVもあって、お前の理性が吹っ飛ぶくらいのオモチャもあるしさ」

「部屋も風呂もベッドもマンションのでいい。
AVなんかも俺見ねぇし、オモチャより・・・」

「オモチャより何がいいんだ?」

「・・・翔さんが・・・いい」

「お前はやっぱ可愛いな。
どこかに車止めて、すぐにでも襲いたいくらいだよ」

「駄目だよ、そんなことしたら誰かに見られちゃうよ」

「おっ、何だ?誰にも見られなかったら外でもいいってか?」

「も~、そういう意味じゃねぇよ。
それにもらったバッチなくしたらどうすんだよ」

「まぁ、確かになくしたら大変だ。
マンションまで我慢するか?」


マンションに着くまでずっと手を握ったまま。
たばこも火をつけにくそうにしている。


「つけにくいんだったら・・・」

「大丈夫、できたから」


そう言ってさらに手をギュッと握った。
ギュッと握られて何だか胸の奥の方が“キュン”となった。
何だか俺、女子みたい。
まぁ女子がみんなそうなるのかどうかはんからないけど。
マンションに着き、車を降りてエレベーターに乗ると、監視カメラ以外の目を気にせず、部屋まで肩を抱かれ歩いていった。

部屋に入ると、2人でソファーにドサッと座った。
そしてカバンの中からかずのお父さんにもらったバッチの入った箱を出した。


「本当にこんなのもらって、よかったのかな?」




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