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知らない世界

第1章 むなくそ悪い出会い

「おい櫻井、行くぞ!」

「あっ、はい・・・それでは」


俺達に頭を下げ、あいつが乗り込んだドアを閉め、自分も乗り込み走り去っていった。


「あ~怖かった。
思わず潤の後ろに隠れちゃったよ・・・ヘヘッ。
・・・潤・・・潤どうした?」


その言葉に“はっ!”と我に返った。


「どうした潤?」

「いや、別に。
あぁ、気分悪!早く行こう!」

「ちょっ、ちょっと待って潤・・・」


どうしたんだろう?
車からおりてきたとたん、思わず俺は目を奪われてしまった。
“犬も歩けば・・・”じゃないけど、町を歩けばイケメンにあたるくらい、イケメンなんてうじゃうじゃいるって言うのに。

ヤ⚪ザと言えば、武道派で男臭い、ごっついって言うのが俺の中のイメージ。
でもあの人は知的でクールで、何というかドキッ!とする色気を感じた。


「それにビックリしただけ。
そうそう、それだけだよ・・・それだけ」

「ビックリしたって、何にビックリしたの?
それだけだよって何?」

「うぅん、何でもないよ。
荷物持って遊ぶの面倒だから、先にゲーセン行こうぜ」

「うん、そうしよう」


あのきれいな顔が、頭から離れなかった。

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