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知らない世界

第7章 最悪なあとに

俺の緊張は、全然ほぐれない。
心臓バクバク、体はガチガチで、初めて肩がこってしまった。


「どうだ、俺キス上手いだろ?」

「初めてだから、わかりません」

「わからない?・・・頑張ったんだけどなぁ。
もっと体の力抜いて、リラックスして」


もう一度、キスをした。


「ほら、力抜いてごらん」


言われた通り力抜いて、体をあずけた。


「そうそう、いい子だ。
少し口を開けてごらん」

「えっ、こうですか?・・・あっ」


唇が重なると同時に舌が入り込み、俺の舌を絡めだした。


「んっ、はぁ・・・」

「舌、出して・・・もっと」


言う通りに舌を出すと、俺の舌に吸い付いた。


「はぁ・はぁ・・・」


俺の舌が櫻井さんの口の中を、出たり入ったりしている。
自分から体の力を抜く以上に、溶けていくかのように、さらに力が抜けていく。
これが大人のキスなのか?


「どうだった、俺のキスは」

「ふぅん・・・」

「目がとろけてますね。
それは俺のキスがよかったかってことだな」


何だか一仕事終えたような脱力感。

・・・?

一仕事って・・・何だ?

そのまましばらく抱き締められていると、携帯がなった。

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