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知らない世界

第8章 打ち上げの日に

約束の日、待ち合わせの場所に行くと、もうすでに集まっていた。
どうしても都合がつかず、こられないやつも何人かはいたけど、思いのほか集まっていた。


ー手ぶらでいいよ・・・ー


かずは行っていたけど、来ている女子はみんな何かしら手に持っている。
買ってきている子、手作りクッキーや手作りケーキと様々。
今思えば、学園祭打ち合わせから準備のとき、かずの回りには女子だらけだった。
多分お菓子持参女子は、かず目当てなんだろうな。
俺が言うのも変だけど、かずは少し小柄で、顔も可愛いから、モテるだろうね。

みんなでゾロゾロとかずの家に向かい、歩いていく。
後ろからついていくかのように歩いている俺からすると、ちょっとした社会見学に行くかのように見えた。
家の近くまで行くと、突然一行が止まった。


「・・・?」


テレビとかで見るような、かずの家を見て口を開けて立ち止まっていた。
そして気付くはずなのに、気付かず家の前を掃除している組の人。


「どうした?」

「家デカッ・・・しかもマジなやつだ」

「学園祭の準備で、来てるだろ?」

「今日集まったのは、みんな来ていないんだ」


そっか、コイツらは来てないんだ。

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