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知らない世界

第8章 打ち上げの日に

誰が言ったかわからない言葉に、俺は思わずドキッ!とした。
櫻井さんはその言葉、聞こえてたかな?


「褒めていただいてありがとうございます。
お嬢さん方も、とても可愛いですよ。
さぁ、どうぞ・・・」


聞こえていたんだ・・・
カッコイイなんて言われて、嬉しいと思った事がないなんて言ってたくせに、やっぱ女の子言われたら嬉しいんじゃん。
何気に喜んでるし。


「どの口が言ってるんだよ!」


俺は委員長とすたすたと、家の中に入って行った。


「やぁ、いらっしゃい!
さぁさぁ、上がって上がって!」


かずについて、とおされた部屋は大きなお座敷。
ちょっとした宴会場みたい。
テレビや映画で見る、襲名披露とかしたりするのかな?


「用があって来られない人もいて、せっかく誘ってもらったけど全員集まれなかったよ」

「俺が急にやろって言ったんだから、集まれないのは仕方ないよ。
あっ、みんな適当に座ってて。
飲み物持ってくるから」

「あっ、二宮君これ・・・
少しだけど、お菓子作ってきたの・・・食べて」

「あのぉ、私も持ってきたんだけど・・・」

「手ぶらでいいよって言ったのに・・・
でも、ありがとう。みんなで食べよ」

「えっ・・・あぁ・・・うん」

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