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知らない世界

第8章 打ち上げの日に

誰からともなく、拍手がおきた。
嬉しそうなかず。
そのあとも、みんなと楽しそうに話をしていた。
俺は雅紀や他の男連中と話していると、気が付いたらかずは女子に囲まれていた。


「潤、あいつモテモテですなぁ」

「そうだな。
でも馴れていないのか、ちょっと困り顔してるけど、それが何か笑えるな」


雅紀と離れたところから見ていた。


「おっ、飲み物がなくなってきたな。
俺、持ってくるわ」


俺が立ち上がると、かずも立ち上がろうとした。
“俺がやるから”感をジェスチャーで伝えると、かずはまた座り、みんなと話し出した。
座敷を出てキッチンに向かい、廊下を歩いて行く。


「あいつの困り顔、超笑えるんですけど」


あいつの顔を思い出してはクスクス笑っていた。


「そう言えば、来たときに玄関で顔を見たきりだけど、どこに行ったのかな?
忙しい人だから、どこかに出掛けたのかもな」


なんてことも考えながら歩いていると、通りすぎた部屋の扉が開いた。


「んっ?・・・わぁっ!!」


口を塞がれ、その部屋に引きずり込まれた。


「誰だ!・・・離せコノヤロ!」


足を踏み、かかとで思いきり足のスネを蹴り、腹に肘鉄をくらわした。

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