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知らない世界

第9章 かずの悩み事

数日後、帰り道で雅紀と歩いていると、かずに声をかけられた。


「潤~!」

「おぉ、モテモテ和也君・・・どうした?」

「やめろよ、その言い方」

「モテるのは事実なんだからさ。
なぁ、雅紀」

「本当、うらやましいよ。
俺なんか告ってフラれたことあっても、告られたことないんだよ」

「かずは他に好きな子がいるらしいから、仕方ないよ」

「えっ!そうなの?
ねぇ、どんな子?おしえろよ」

「おしえられないよ」

「何でだよ、おしえてくれてもいいだろ」

「駄目!お前に勝てる気がしない」

「俺に?俺の知ってる子か?」

「いや、何でもない。
とにかく潤、ありがとう。
修学旅行のとき告るかどうかは、まだ考え中。
じゃあ、また明日」

「じゃあな、かず」

「バイバイかず。
でも俺に勝てる気がしないって、間違いなく俺よりあいつの方がモテると思うんだけどな」

「お前には悪いけど、俺もあいつの方がモテると思うよ。
あいつの好きな子って、もしかして俺達の知ってる子かな?」

「さぁ・・・修学旅行まで楽しみにしてようよ。
あっ、今日お前んち手伝いに行くよ」

「お袋に言っておくよ。宿題はやってこいよ」

「わかってるって」

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