夜空は百合の花を狂気的に愛す
第1章 ブドウ
「ユリ…お前頭良いくせに自分に関しては全然なとこいい加減どうにかした方がいいぞ…」
「ど、どういう意味よ?」
呆れたようにひーくんはもういいよと呟く。
「あ、そいえばさ…今週の土曜空いてたりする?」
少し照れたように目を泳がせながら聞いてくるひーくん。今週の土曜日って…
「ひーくんのバスケの試合でしょ?そんなの言われなくても応援しに行くに決まってるじゃない。」
私ひーくんの試合にはかかさず応援しに行ってるし。
「そうだけど…今はおばさんが再婚とかして忙しいから来れないかもしれないと思ってさ。でもよかった!ユリが来てくれんならいつもの倍頑張れるよ」
「私の応援でそんな変わるかしら…」
「ユリの応援だからだろ!」
「え?どういう意味?」
「ユリ…おまえわざとじゃないだろうな…」
「だからなにがよ!」
ほんとに変なひーくん!