夜空は百合の花を狂気的に愛す
第1章 ブドウ
「その夫婦の会話は他所でやってよね!!!!」
いきなり私達の間に現れた愛子
「夫婦って…普通の会話じゃない」
「そ、そうだぞ。変なこと言うのやめろよな」
「あんたねえ!陽向!!あんたがそんなだからこの鈍感天然娘といつまで経っても「おい!!お前ちょっとこっち来い!!」
「な…なんなの…?」
まくしたてる愛子を無理矢理連れて行く陽向。
あの2人、なんだかんだいって仲良しなんだから…もしかして…?
ちょっと意外な組み合わせかもと考えていると私の前にさっきまで皆の中心人物だった2人が鞄を持って現れた。
「ユリさん、一緒に帰ろう」
「え…ええ」
夜くんはいつも通り笑っていたけどなんだか不機嫌な気がした。