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夜空は百合の花を狂気的に愛す

第2章 オトギリソウ

何してるのって…どういう意味?

私が頭にハテナを浮かべているとひーくんが我に返ったようにこちらを…というか私の背後にいる双子の方を向いた。

「…っと話すのは初めて、だよな?俺、岸陽向。コイツとはちっちゃい頃からの仲でさ。よろしくな」

コイツと私を指さすひーくん。

「…ああ、そう、知ってるよ、陽向クンのことは。バスケ部のエースで頭も良くてモテるのに今まで彼女を作ったことがないとか」

「…それ関係あるか?」

なんだか棘のある言い方にひーくんが眉を顰める。

「別になんでもないよ。ただどうして作らないのかなーって気になっただけ。ユリさんも気にならない?こんなモテるのに彼女作らない理由」

「ええ、まあ…」

気にならない訳ではないけど今までそんなこと考えたことなかった。

確かにひーくんはモテる。今まで何度も告白されているのを見たことがある。けど一貫として彼女を作ったことはなかった。

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