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夜空は百合の花を狂気的に愛す

第2章 オトギリソウ

心中悲しくなる私を他所に空くんが私を見つめて話す。

「ねえ、ユリ…このあと時間ある?」

「ええ、大丈夫よ。なんかあったの?」

「ユリさんともっと親睦を深めたいなって。駄目かな?」

可愛く首を傾げる夜くんにダメじゃない!と叫ぶ。

全く男の子なのにどうしてこんなに可愛いのかしら。これが弟の魅力ってこと?

そんなことを思いながら食事を終えて、また私たちは3人でソファに座っていた。

このソファ、2人掛けだから密着度が高い…

「ねえ、2人ともキツくない?私、床に座るから2人ともソファで座っていいわよ」

そう言って立ち上がろうとすると左右に座る2人に手首を掴まれてまた座ってしまった。

それどころか空くんなんかさっきよりも私にくっついている気がする。

「全然キツくないよ。ね、空」

「うん。このままがいい」

「そう…?」

結構狭いと思うんだけど…

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