夜空は百合の花を狂気的に愛す
第2章 オトギリソウ
今日は土曜日。
そう、ひーくんのバスケの試合だ。
試合会場は他校だったので電車に乗って現地集合していた愛子に手を振る。
「ごめん、愛子、お待たせ!」
「ん、あたしも今来たとこって…えー!??な、なんで双子くんもいるのー!?」
ワナワナと驚いたように私の後ろにいる双子を指さす愛子。
私にもよくわからない。
朝起きて支度をしていざ行こうとなった時に颯爽と私服を着た2人が現れて俺達も暇だからついて行くと言うのだ。
断る理由もないから連れてきたけど…
「ごめん、愛子連れてきちゃだめだったかしら?」
「いいに決まってるじゃない!!ただね、一緒にくるなら一言言ってくれれば、あたしだってもっとオシャレを…」
「愛子さん?今日はごめんね。どうしてもバスケ見たくて…」
夜くんに続いて空くんもぺこりと会釈する。
愛子ははいいい!と言いながら目をハートにさせて浮き足だっている。
愛子って本当ミーハーなんだから…
呆れながらも4人で試合会場に向かう。