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夜空は百合の花を狂気的に愛す

第2章 オトギリソウ

ジロリと双子を睨みつけていれば、目を光らせた愛子が私のボタンに手を伸ばしてきた。

やばい!

「わ、私!ひーくんに差し入れしてくる!!」

「あっユリ!ちょっとぉっ!!」

3人を置いて別の道に走り出す。

危ない危ない。愛子って変に頑固だから…

それよりも、と。

スマホでひーくんにメッセを送る。差し入れを渡したいから会える?と送れば、すぐにこちらに向かうと返ってきた。

しばらく待っていれば、バスケのユニフォームを着たひーくんが走ってきた。

「ユリ!」

「ひーくん!」

ふうと息を整えて私を見つめるひーくんは試合の前に練習でもしていたのだろうか、うっすらと汗をかいていた。

「ごめんね、呼び出しちゃって。はいこれ。ひーくんの好きなレモンの蜂蜜漬けと栄養ドリンク」

「おう、いつもありがとな。ユリの手作りいつも美味いんだよな」

「ふふ、褒めたって何もないわよ?」

「別に事実言っただけだよ。…てかお前長袖で暑くねーの?」

「え!?あ、暑くないよ?日焼けしたくなくて!」

ひーくんは特に気にもせず受け入れたようだった。

あ、あぶない…

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