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夜空は百合の花を狂気的に愛す

第4章 ハボタン

考えても探偵でもなんでもない私には全く分からなかった。

ひーくん、気づいてあげられなくてごめんなさい…

「でもさ、このこと東雲さんは知ってるかと思ったわ」

頭で腕を組みながら私を見る牧くん。

「なぜ?」

「東雲さんとこの双子いるでしょ?そいつらと陽向が話してるの俺帰りに見たんだよね。何話してるか聞こえなかったけど、陽向足に包帯巻いてるし、陽向が言わなくても双子が東雲さんに話すかなーって思ってたんだけど。」

「え…そうなの…?」

全く知らなかった。

確かにあの日、双子は一緒に帰らなかった。

もう少し残ってから帰るって言うから特に気にもせず、私は愛子と先に帰ったのだ。

ひーくんと話すために待っていた…?

いやでも帰ってからも2人はそんなこと何も言わなかった。わざわざ隠していた?なんのために?

頭にたくさんのハテナが思い浮かんでは消えていく。

考えたってわからないなら直接本人達に聞けばいいわ。

そう自己完結した。

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