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夜空は百合の花を狂気的に愛す

第4章 ハボタン





そうして1週間が経った。


変わったことといえば、最近愛子の様子がおかしいことがある。

いつもお昼は一緒に食べているのに用事があると言っていなくなることがしばしば増えた。それに放課後に遊びに誘っても断られてばかり。

いつもなら愛子の方から私にちょっかい出してくるっていうのに…

今日もダメ元で愛子に放課後遊びに行かない?と誘う。

「ごめん、ユリ!たぶんしばらくあたし遊べない!!ちょっと色々あって忙しいの」

まあ断られると思ってはいたけど…

「…何かあったの?私で良ければ、相談に乗るわよ?」

「別に、ユリには関係ないことだよ」

「…愛子?」

「っなんでもない!!あたし急いでるからもう行くね!」

慌てたように愛子が教室を飛び出した。

今の…愛子の一瞬の表情に驚いた。だって私のことを恨んでいるかのような目で見るんだもの。

気のせい、よね…

高校入学してからの大親友だもの、愛子が私を嫌うなんてそんなことあるはずないわ。

すると、ぽんと肩に手を置かれた。

振り向けば空くんが立っていた。

「ユリ、帰ろ」

「ええ…あら?今日も夜くんはいないの?」

「ん、今日も何か用あるみたい」

そう、変わったことといえば夜くんもだ。

今までずっと空くんと一緒に私にべったりくっついていたのにここ最近いないことが多い。

教室にもいないことが多いし、決まって帰りが遅いのだ。

この前気になって聞いてみたけど…上手いことはぐらかされちゃったのよね。

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