夜空は百合の花を狂気的に愛す
第4章 ハボタン
なんでもないよとぱっと顔を明るくした空くんは随分口数が多くなったと思う。
最初はもじもじして夜くんの後ろにいるばかりだったのに…
成長って早いものだわ。
「じゃあ、俺は先に帰る…ユリも早く帰ってきてね」
「ええ、また後でね」
ふふと笑いながら空くんに手を振る。
すると、空くんは私の横を通る際に耳元でそっと呟いた。「今日も愛し合おうね」と。
途端に顔を真っ赤にした私を見て満足そうに微笑みながら空くんは帰って行った。
愛し合う
彼らはあの行為をそう呼んでいる。
私の生活で1番変わったことはこれかもしれない。
私はあの日初めてイかされてから、ずっとあの行為をされている。
身体に赤をつけられて、身体中を双子によって弄ばれる。
最初こそそれなりに抵抗したものの、今じゃ日課のようになっていた。
そこまでされても私が彼らを拒絶しないのは嫌がると彼らが悲しい顔をするからと一定の枠を越えてこないからだろう。
性の知識に無頓着な私でも流石にこの行為がそういうことだと気付いた。でも彼らは決して最後まではしない。
私が達するとそこで終わりにする。
あの2人は母親から愛情を貰っていない。だからこんなに曲がった形で私から愛情を貰おうとしているんだわ。
だからこそ私は2人に強くやめてと言えないのだ。
もう既に自分の感覚が可笑しくなってることに私は気づいていなかった。