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夜空は百合の花を狂気的に愛す

第4章 ハボタン






「久しぶりにきたわ…」

目の前にあるのは黄色いレンガ調の可愛いお家。そこらに置いてある植木鉢には可愛いお花がたくさん咲いている。

全部ひーくんのお母さんの趣味。

可愛いものが大好きで私よりも女の子らしいひーくんのお母さんが私は小さい頃から大好きだった。

この家にくるのは久しぶりね。

少し思い出して笑いながらインターホンを押す。2回、3回と押したところで玄関が開いた。

出てきたのはひーくんだった。

「ひーくん!」

「っユリ…なにしにきたんだよ」

「お見舞いよ。来なくていいって言われたけど流石に心配だから…」

そう言ってひーくんに近づけば、なんだかやつれている気がした。

心做しかいつもの真っ直ぐな目が暗い。

「…今日アイツらは?」

「?アイツらって?」

「夜と、空」

「ああ、あの2人ならいないわ。もしかして会いたかった?」

「いや…てか家入れよ」

「ええ、お邪魔します」

ひーくんっていつの間にあの2人と仲良くなっていたのかしら?名前を出すなんて。

不思議に思いながらもひーくんについていく。

リビングに着けば、ひーくんが当たり前のようにお茶をいれようとしたので慌てて私が代わってひーくんをソファに座らせた。

「今日、ひーくんのお母さんは?」

ひーくん以外の人の気配がないので尋ねる。

「母さんは今買い物」

「そう」

お茶を入れ、ひーくんの前に置くと私もひーくんの横に腰を下ろした。

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