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夜空は百合の花を狂気的に愛す

第4章 ハボタン


私も一緒になって笑えば、急にひーくんが真剣な顔になった。

「ユリって夜と空のことどう思ってる?」

「え…?」

どうって…

一瞬2人との行為を思い出して顔が赤くなる。

「そう、ね…2人とも自慢の弟よ。血は繋がっていないけれど本当の家族のように思ってるわ」

「そっか。あいつらはユリのことそうは思ってないだろうな」

「どういうこと?」

「鈍感なユリには一生わからねーだろうな」

「何よ!教えてよ!」

教えないの一点張りのひーくん。

2人は私の事家族だと思ってない?そんなわけ、たしかに…あんな事するけど…

「ユリ」

「なあに?」

「あの日、言えなかったこと今言ってもいいか?」

あの日とはバスケの試合の日のことだろう。

優勝したらって奴ね

「ええ、もちろん」

「俺、ずっと前からユリのことが好きだ」

「え…?」

お茶を飲もうとしていた手が止まる。

ひーくんが、私の事を、好き?

前から?ずっと?友達として?

ひーくんの真っ直ぐな目がそれを否定していた。

ひーくんが、私のことを好きなんて、

「ぁ…わた、し…」

「いいよ。返事はいらない。ただ俺がお前のことを好きだってことだけは知っていてほしい」

「う、ん…」

動揺する私に強く言うひーくんに気圧される。

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