夜空は百合の花を狂気的に愛す
第5章 ラベンダー
夜くんだって最近毎度の如く、昼休みはいない。
まさか愛子と会ってる?
いやいやそれなら隠す意味がわからないし、それに…もし本当に会っていたとしても姉の私には関係ないことだわ。
何故かモヤッとする心を無視して空くんを探す。
ここ最近、愛子とお昼が食べれないので代わりに空くんと2人で食べているのだ。
あれ?いない。
いつもはすぐに寄ってくる空くん。教室を見渡してみても見当たらない。
スマホを見てみれば、空くんから「購買に行ってくる」とメールがきていた。
夜くんが作ってくれるお弁当があるのに…
男の子って食欲多いなぁ…
待ってるのも暇だし、私も購買に行こうかしら?
そう思って私は購買に向かった。
だけど。
「あれ…空くん…?」
ふと窓越しに空くんを見つけた。
体育館から出てくるところのようだった。
体育館?なぜ?購買は?
体育館なんて購買の場所と逆だし…何よりなんの用があるのだろう?
口角を上げる空くんを思い出して何か嫌な予感がした。
私は購買ではなく、体育館に走った。