夜空は百合の花を狂気的に愛す
第5章 ラベンダー
「じゃ、俺もう行くね。ありがとう東雲さん」
「え、ええ。こちらこそごめんなさい…」
私は関係ないとはいえ、間接的に私が関わっていることは事実なのだから…
「謝んなくていいよ!東雲さん悪くないし。俺がイケメンなのが原因かもだし?」
「ふふ、ありがとう」
ウィンクしながら私を励ます牧くんに微笑む。
ぽんぽんと軽く頭を撫でられてから牧くんは去っていった。
本当…牧くんといい、ひーくんといい、私の周りにいる人達ってなんて優しいのかしら…
「あ…空くんからメールきてる」
スマホを見れば、空くんからどこにいるの?ときていた。
私は慌てて空くんがいる教室へ走った。走りながら考える。
思いたくないけど…
どう考えても牧くんを閉じ込めたのは空くんだわ…!
体育館に行ってた意味もわからないし、もし牧くんに関係なく体育館に来ていたとしても牧くんを助けず無視するのもおかしい。
なぜ?どうしてあんなことを?
牧くんは私に近づくなと言われたって言っていた。
私が関係している?
考えこんでいればすぐに教室に着いた。自分の席に座っている空くんを見つける。