夜空は百合の花を狂気的に愛す
第5章 ラベンダー
ピストンをしながら、スマホの画面が光ったのが見えて夜はスマホの画面を見た。
そこには空から「ユリに怪しまれてる」とだけメールがきていた。
夜はそれを見て口角を上げるとピストンを早めた。
「あっああ…よる!イくう!」
「うんいいよ、イって愛子さん」
「あっあああ!」
(ユリに怪しまれてるか。じゃあそろそろこの女も早く終わらせないとだね)
一気に愛子を貫けば、魚のように跳ねて愛子は絶頂を迎えた。
情事が終わると下着だけの姿のまま、愛子が恋人のように夜に寄り添う。
「ねえ、まだユリのこと好きなの?」
愛子は毎回この質問を夜にしていた。
「もちろん、好きだよ」
そして夜から返ってくる言葉も毎回同じだった。
愛子は夜の気持ちが自分になくても身体で繋がっていればそれだけで良いと思っていた。
しかし夜と繋がるたびにどんどんその欲は大きく膨らんでいった。
(身体だけじゃ嫌。心もなきゃ。ああ、うざい。なんでユリあんたなの。あんたがいなければ、夜はあたしのなのに)
高校入学してから出会った美しくて優しい大好きだった親友が今では心底憎かった。消えて欲しいとさえ思っている愛子は恋に溺れていた。