僕は君を連れてゆく
第10章 この、相、相、相、相、相 ラブ ユーを♡
出会ってから俺のなかで相葉さんは
いつまでも特別だった。
俺が見ててやらなきゃって。
人見知りだし、花粉症だし。
俺が相葉さんのことわかってあげなきゃって
思ってたのに。
相葉さんの魅力が世の中に浸透してドラマやCM、
バラエティーに。
嵐の中で一番、忙しくなった。
だから、友達もたくさん増えて…
喜ぶべきなのに、俺は喜べなくて。
俺の知らないとこで相葉さんが…
こんな感情はなんなのか、ずっと、考えてて…
あの雨の日、あまりにも降る雨にたまらなくなってコンビニに入った。
傘買うつもりだったけど爽やかに笑う相葉さんが
表紙の雑誌に思わず手が伸びて。
気がついたらそこを読んでいた。
表紙の爽やかな笑顔ではなくて、ニヒルに佇む姿。
胸元までボタンを開けたシャツに半開きの口。
この、ギャップがこの人の魅力。
見入ってたら視線を感じて…
相葉さんがいた。
恥ずかしくて…
こんなとこで、会えるなんて…
嬉しい…
そう思った自分。
そして、
「ニノ?どうして?びしょ濡れじゃん。」
周りにバレないように小さい声で耳元で話しかけられて…
顔見たら、優しい顔の相葉さんだった。
俺の好きな…
あぁ…俺、好きなんだ。
相葉さんが。
好きなんだ。
「風邪ひいちゃうよ?傘なかったの?家来る?」
そうして、傘に入れてもらって手を繋いで相葉さんの家まで帰ってきたんだ。
お風呂に入れてもらって、服を貸してもらって。
温かいコーヒーを入れてもらって。
ドライヤーまでしてもらって。
飲み終わる頃には温かいうどんが出された。
「たくさん、食べてね?美味しいんだよ、このうどん。
ニノ、好きだろうなって思って。
食べさせたいなぁって思ってたから良かった。
ね?好きでしょ?」
ズルズル、麺をすする様子を隣で見られるっていう
めちゃくちゃ、恥ずかしいこの展開。
でも、その優しい顔が俺だけにむけられてることが嬉しくて、ゆっくり食べたんだよな。
「俺も風呂入ってこよ…」
立ち上がった相葉さん。
「あっ…。」
思わず手が出た。
シャツの裾を掴んでしまった。