テキストサイズ

僕は君を連れてゆく

第12章 デリバリー攻略book

起きたら11時を過ぎていた。

「寝過ぎちゃった…」

寝過ぎて頭が痛い。それにまぶたがとっても重たい。

スマホを手に取ると潤くんからメッセージが来ていた。

へっぴり腰で馬にえさをあげてる部長の写真。

【ビビり屋さん♡】

何が、♡だよ!
朝からムカつく!

そして、すぐに、
部長がこれまた、今にも泣きそうな顔で馬にまたがっている写真。

【ビビり屋さん、パート2♡】

バカップルっ!!

【今晩は部長が潤くんにまたがるんでしょ?】

顔赤くしてろっ!!!
お二人は仲良くデートかよ!
どこに行ってるの?とか、絶対に聞いてやらないんだからな!

顔を洗いに洗面所に立つ。
腫れたまぶたが可哀想すぎる。

「リア充め…」

朝食をとる気になれずコーヒーを飲もうとしたら
切らしていた。

最悪…

仕方ないので牛乳にしようとしたら、賞味期限が
切れていた。

最悪…

なんだよ。コレ。
ついてない!とか、そんなことじゃない。
世の中の全てが俺を排除しようとしている。
そんな気がしてならない。

「…寝よ…」

また、布団の中に入った。






ピンポーン




ピンポーン ピンポーン ピンポーン



なんだよ…


ピンポーン ピンポーン ピンポーン


んとにもぉ!

布団から起きて、ドアスコープを覗いた。

ん?

「はい。」

「あっ!いた!愛来軒です!」

何時だ?

玄関を開けたらテリバリーの彼がいた。

そうだ。昨日、頼んだんだ。

「目、腫れてる…」

伺うように俺を見てくる。

昨日泣いたのがバレると思って俯いた。

「1,800円です。」

え?昨日と同じなら880円のはず!

「これ、頼んでないけど…」

トレーの上には担々麺らしき赤い液体と麺のどんぶりと炒飯。それに白いプリンみたいなのまでのっかってる。

「…間違えた…」

マジかよ…

「じゃぁ、いいや。それで。」

「いや…でも…」

「いいよ。もう。」

本当についてない!

「あっ!」

名案!が浮かんだ!って顔してる。

「お店に来てよ!ご馳走するから!ね?」

えっ?

えーーーーー?!?!?!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ