僕は君を連れてゆく
第14章 おおきなかぶ
翌日、智じぃさんは畑の一番イイ場所に
昨日の種を蒔きました。
「いったい、何ができるのでしょう。」
「さぁ。でも、立派な実がなるじゃろ!」
それから、しばらくして…
「おじぃさん!おじぃさん!」
朝早く、智じぃさんは翔ばぁさんに起こされました。
「なんじゃ…まだ、早かろう…」
「芽が出ております。」
「なに?」
智じぃさんは飛び起きました。
畑に向かうと小さな緑の葉が顔を出しています。
「おぉ~!!!すげぇ~!!!」
智じぃさんは余計な草を抜いたり、水をやったり
世話をします。
「手塩に育てるんだから、立派になれよ~」
小さな芽が出て、春が来て。夏が来て。
秋が来て。冬が来て。
また、もとの季節に戻ってきました。
「そろそろじゃろ。これはかぶだ。」
「かぶですね。大きくなりましたね。」
待ちに待った収穫の日です。
智じぃさんがかぶを引っ張ります。
「うんとこしょ、どっこいしょ。」
それでも、かぶは抜けません。
「翔ばぁさーん!翔ばぁさーん!手伝ってくれ。」
智じぃさんがかぶを引っ張って、
翔ばぁさんが智じぃさんを引っ張って、
「うんとこしょ、どっこいしょ。」
それでも、かぶは抜けません。