
僕は君を連れてゆく
第15章 会いたい
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5年ぶりの地元。
駅のホームのどでかい看板は俺が最後に見たものと同じだった。
改札をでたら、ロータリーから続く商店街はほとんどの店がシャッターが、閉まっていた。
そのせいか、夕方の4時になるのに人はまばらで
なんだか寂しい印象をうけた。
「にの!おーい!にの!」
向こうから自転車を押してくる友人、大野さんがこちらに手を振っている。
俺も小さく手を振りかえした。
「時間ピッタリだな。」
「そうだね。」
大野さんは変わらない。ほどよく焼けた肌に白い歯。背だって俺とそんなに変わらない。
「変わんないね?にの。」
「あなたもね!」
二人でフフフって笑った。
それから、大野さんが自転車のかごに俺の荷物を
乗せて、並んで歩いた。
同級生のあいつが結婚した、あいつは離婚して戻ってきたとか。
あいつは東京で会社を立ち上げた、あいつは地元で父親の会社を継いでるとか。
口数の少ない大野さんが、これだけしゃべるということが俺たちの会っていない時間を物語っていた。
「って…顎痛ぇな。しゃべりすぎたわ。」
「ホント…こんなしゃべれるんだね。」
「俺も驚いた!」
また、二人で笑った。
「にのは元気だった?」
急に静かに、でもしっかりした声で俺に聞いてきた。
5年ぶりの地元。
駅のホームのどでかい看板は俺が最後に見たものと同じだった。
改札をでたら、ロータリーから続く商店街はほとんどの店がシャッターが、閉まっていた。
そのせいか、夕方の4時になるのに人はまばらで
なんだか寂しい印象をうけた。
「にの!おーい!にの!」
向こうから自転車を押してくる友人、大野さんがこちらに手を振っている。
俺も小さく手を振りかえした。
「時間ピッタリだな。」
「そうだね。」
大野さんは変わらない。ほどよく焼けた肌に白い歯。背だって俺とそんなに変わらない。
「変わんないね?にの。」
「あなたもね!」
二人でフフフって笑った。
それから、大野さんが自転車のかごに俺の荷物を
乗せて、並んで歩いた。
同級生のあいつが結婚した、あいつは離婚して戻ってきたとか。
あいつは東京で会社を立ち上げた、あいつは地元で父親の会社を継いでるとか。
口数の少ない大野さんが、これだけしゃべるということが俺たちの会っていない時間を物語っていた。
「って…顎痛ぇな。しゃべりすぎたわ。」
「ホント…こんなしゃべれるんだね。」
「俺も驚いた!」
また、二人で笑った。
「にのは元気だった?」
急に静かに、でもしっかりした声で俺に聞いてきた。
