
僕は君を連れてゆく
第15章 会いたい
「うん…。元気だよ。」
「相葉ちゃんと一緒にいるんだろ?」
「うん。そばにいてくれる。」
聞いたところによると、まさきは大野さんと月に一度くらいのペースで連絡をとっていたらしい。
内容は俺のこと。
高校でてから俺は地元を離れた。
大学に通いながらバイトをして、今の会社に就職した。
まさきは俺についてきてくれた。
今はそう思える。
あの時はなんで来たんだ、とか、ついてくるな、とか言って…
それでもまさきは俺についててくれた。
そして、「好きだ。」って何度も言ってくれた。
俺が首を縦に振ることができないでいても、何度も。
「大野さんは?今、何してるの?」
「俺?驚け!教師だ!」
「え?」
「母校で働けるんだ。」
「そうなんだ。」
大野さんが教師か…
スーツ着るの?
教壇に立つんだ…
なんか、なんか、
「面白い…」
「なにがだよ!」
大野さんは教員採用試験を受けて晴れて母校の
先生になれることにきまったそうだ。
「お祝いしようか?」
「ナニ?ご馳走してくれるの?」
「一杯だけね?」
「変わんねぇな~。乗れよ!」
大野さんの自転車の後ろに乗せてもらった。
よく、こうやって二人で学校から帰ってたな。
「つかまってろ~!!!」
「イエーイ!!!」
