
僕は君を連れてゆく
第15章 会いたい
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先生との思い出は冬だった。
でも、思い出すのは二人で過ごしたあの日。
先生の家の部屋。
白い壁。
深い緑色のベットの上。
チェストに置いてある小さいランプ。
白いセーターを脱いだ先生の肌は同じくらい
白くて綺麗だった。
俺に覆い被さってきた先生の顔が影になって
よく見えなくて、手を伸ばしたらその手を掴まれて
手の甲に唇を寄せた。
俺が自分で服を脱ごうとボタンに手をかけたら
とめられて、一つずつ、先生がボタンをとってくれた。
寒くて震えたら、背中に先生の腕が回ってきて
ゆっくりベットに寝かされた。
背中が布団についたら、布団もまだ冷たくて、
ビクっと身震いした。
そんな俺を見た先生は目を細めて、頬を撫でた。
「じきに熱くなる。」
外は雪だった。
少しだけ開いたカーテンの隙間からチラチラと降る
白い影。
それは先生の首に伝う汗と重なって見えた。
俺で気持ちよくなってくれる汗。
寒さで震えていた俺の身体は
いまは、汗が伝い、快感で震えている。
「んっ…せんせっ…」
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目が覚めたら汗をビッショリかいていた。
先生の夢なんて見たことなかったのに…
汗だと思っていたら、泣いていた。
今もここ(心)に先生がいる。
