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僕は君を連れてゆく

第15章 会いたい

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  二宮和也 様



ずっと、君のことを考えていた。
どうして、あの時きちんとわたしの気持ちを君に
伝えなかったのだろうかと。
君はそれでも、真っ直ぐにわたしを見つめてくれていて、それに甘えていたんだ。
それと同時に君の真っ直ぐさが羨ましかった。
歳を取れば取るほど、人間は臆病になってくる。
踏み入れたその先が透明で綺麗であることがわかっていないと先に進めないのだ。
それなのに、独占欲だけは年々強くなっていく。
君を、君との時間を作るように一日を過ごしていたように思う。

君がこの街を離れると知ったときに寂しいという感情がわたしを包んだ。
君は会うたびにそれを言葉で表情で表してくれていた。

君が旅立った翌日。
わたしは喪失感で一杯だった。
君を見送ることが出来ずに、さようならも言えずに別れたことを後悔した。
君はきっと、仕方がないとわたしを許してくれたであろう。

二宮くん、ありがとう。
会いに来てくれて。
好きだと伝えてくれて。

わたしを好きになってくれてありがとう。


わたしはもう二度と君に会うことはないだろう。
その理由を告げないことを許してほしい。

俺はズルい人間なんだ。
君と出会ってそれを実感した。

君と出会ってしまったことを後悔した日もあった。
俺は君に嘘をついていたから。
それも許してほしい。

二宮くん、ありがとう。

              松本潤





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