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僕は君を連れてゆく

第15章 会いたい


電車に揺られ大野さんの住む駅についた。

すっかり暗くなったけど、まだ暑くてじんわりと
汗がでてくる。
改札を出たら、見覚えのあるシルエットが…

「…まさき?」

まさきがいた。

「どうしたの?何かあった?」

俺はまさきに駆け寄った。
まさきは顔を歪め唇を噛み締めた。

「帰ってきた…」

「ん?」

「帰ってこないと思った。」

俺の腕を引いてまさきの胸の中に抱き寄せられた。

「おかえり。にの。」

俺はまさきの背中に腕を回した。

「ただいま。まさき。」

まさきの胸のドキドキが俺に伝わってきた。
俺を心配してくれている。
俺を愛してくれている。

手を繋いでホテルに向かって歩きだす。

「おおちゃんから連絡きてさ…」

大野さんは俺がゆうこさんはボロクソに打ちのめされて帰ってくるんじゃないかと心配でまさきに連絡したみたいだ。

俺はゆうこさんと話したこと。
先生が手紙を書いていて、それを持ってきたこと。
それを読んで俺が思ったことを話した。
まさきは手を繋いだまま、うん、うんと相槌を打ちながら聞いてくれた。

「あんなに、会いたくて、好きだって言って欲しかったのに、手紙を読んで…なんか、その気持ちも落ち着いた。俺、言っちゃダメだと思ってたんだ。先生に会いたいとか言ったら。」

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