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僕は君を連れてゆく

第16章 ぶりかえす


仕事の話をしながら夕食を、と思っていたけど、
相葉さんのアイディアはとても、興味深くて箸がなかなか進まない。

「そう!だから、このシリーズを手掛けてるんだからこっちにも応用がきくと思うんだよ。」

「ふーん。そういう考え方もあるんだ。」

「そうすればあちこちに頼まなくてもこの一社に絞れるからコストが抑えられるだろ?向こうも新しいところへ手を伸ばすことになるからいいと思うんだ。」


「お互いに得出来るんだね。」

「そう。二宮さんがこのリスト並べてくれてるの見てさ…すごいよ。毎回こうなの?」

「まぁ、うん…だいたい…候補はいくつあってもいいかなって…」

「あっ、ねぇ、冷めちゃうよ。食べな?ごめんね。仕事の話して。」

どうぞ、どうぞと両手をだしてきた。

「あ、じゃ、いただきます。」

お粥なんて久しぶりだ…
一口、スプーンですくって口に入れた。

「ぬるっ!」

おかずもチキンのなんかに野菜を和えてあって…

ダメだ…うまくない…

「もう、いいや。」

「え?そうなの?少食だなぁ。」

「こんなに急に食べれないよ。」

「おかずなんて手つけてないじゃん!」

「食う?」

「え?!」

相葉さんの目がキラキラ…

「い、いや、ダメだよ。俺は帰って…」


グゥ~~~~~~~~~~!!!!!

「俺じゃないよ!」

「相葉さんだよ~‼」

病室だってことを忘れて大笑いした俺たち。
涙でてきちゃったよ。

恥ずかしそうにしている相葉さん。

この数時間でたくさんの相葉さんを見た。


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