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僕は君を連れてゆく

第4章 春の色


買い物を終えて家に帰ってきて鞄の中を整理してたら昼間に会った彼のハンカチがでてきた。

名前も聞かなかったし…ってか、俺、お礼言ったかな?

夜、洗濯物を干していると彼のハンカチ。

洗濯機で回ったせいで少し、シワになっている。

「しわしわ…」

手で伸ばしてみたけど…斜めになるし…

「アイロンか…」

うちにはアイロンはない。実家に帰らないとダメかな…

そして、あの信号機の足元で咲いていた花が気になった。

携帯で検索してみると、
「おおいぬのふぐり…名前の由来は…」

マジか…あんな可愛い花だったのに…
「別名、星の瞳…へぇ、こっちの方があってるな。」

春が終わるのと同じ時期に開花時期を終える花だった。

普段することのない、花を調べるという行為になぜだか、笑いが込み上げてきて…

「俺、どうしちゃったんだろう…」

見上げればさっき干した、彼のハンカチ。

「タンポポの色。」

タンポポと携帯に打ち込んでいたらメッセージが届いた。

―電話していい?するね?―

着信音が鳴った。

「LINEの意味ある?」

「ないね。」

同期で入社した櫻井からだった。

「外回り終わって飯食うところなんだけど、一緒にどう?」

「今から?めんどくせぇな…」

「風呂まだだろ?出てこいよ~久々なんだよ。この時間に終わるの。」

渋々、行くことにして着替えた。

携帯と財布を持って外へ出た。

「寒っ‼」

昼間とは違いお日様が隠れてしまうとどうしても肩に力が入ってしまう。

コートのボタンをとめて目的地へと急いだ。



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