僕は君を連れてゆく
第4章 春の色
自動ドアが開いたら急に眩しくて目を閉じた。
それとともに店員の大きな「いっらしゃいませ~」の声と熱気からか、暖かい空気が俺を包んだ。
「待ち合わせなんですけど…」
店員告げて席へ案内された。
「おぉ!智くん!こっち!」
片手をあげ仕事を終えた解放感で緩んだ顔の櫻井がいた。
そして、隣には…
「後輩の松本。一緒に今、回ってんだ。ビールでいい?」
勝手にビールをオーダーした。
「はじめまして。松本潤です。」
わざわざ、立ち上がりお辞儀をしてきた。
「大野智です。どうも。」
俺も立ち上がりお辞儀した。
やっぱり、おかしくて3人で大笑い。
そこからは久々なこともあって盛り上がった。
そんで、ふと思い出して
「アイロン持ってる?」
「持ってない。」
「よね。」
「よねって。潤は?」
「家はありますよ。ワイシャツ自分でアイロンかけてますから。」
「そうなの?」
「はい。」
「毎日?」
「はい。」
松本潤という男は出来る男みたいだ。
俺と櫻井は感心しきりだった。
「家事をやるの?」
「やりますよ。毎日、外食なんて無理です。」
「俺、毎日、外食よ?」
「櫻井の家、鍋ないから。」
「マジっすか?」
「やかんはあるぞ!」
櫻井が何も出来ない話でめっちゃくちゃ、酒がすすんだ。
「もう一軒行く?」
「カラオケ?」
「潤の家、連れてけよ?飯作れ!本当に出来る男なのか見てやる‼」
「なんすか、その出来る男って…」
「アンチョビとなんチャラのパスタ食べた―い!」
「ウチ、同居してるやついるから… 」
「「彼女???」」
「違いますよ‼友達です。聞いてみないと…」
「おしっ!聞いてみよ‼俺が聞いてやる!」
「ちょ、やめてくださいよ~櫻井先輩!」
松本くんが携帯で連絡をはじめた。