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僕は君を連れてゆく

第35章 空の色

***


ニノと暮らすようになって3ヶ月。

すげぇ、楽しくやってる。

と、俺は思っている。

ニノは器用で料理とかそうじとかもあまり、やったことがない。なんて、言いながらも俺がやるより全然上手に出来る。
それに、よく気がつく。
どうせ、明日も着るからと思って椅子に引っかけておいたパーカーは気がつくとハンガーにかかってクローゼットにおさまっているし。

あとで食べようと思って買ってきたものもあっという間に冷蔵庫の中におさまっている。

あとで、洗えばいいやと使ったグラスも洗われていることがほとんだ。

ニノは俺に大雑把だ、と言う。

そうなんだ。
なんとかなるなって思ってるし、風呂だって1日くらい入らなくたって…
でも、ニノは温まるから!とか汗を落として来てください!なんて…

ちょっと、世話を焼いてくれるのを嬉しいとさえ
俺は思っている。

そこらへんのガキより俺はガキなんだ。

今日は久しぶりに二人で連休が取れたからちょっと遠出したいなぁと思っていた。

普段のお礼もかねて。

口でありがとうって言うのは簡単だしなるべく、伝えるようにしてるけど、行動で示したいなって。

ニノのためなら。

クローゼットから少し大きめの鞄を取り出す。

「どこ行くの?」

「旅行行こうぜ?」

「旅行?!?!」

驚いてるニノの顔。
この顔が見たかった。

さっき、コーヒーを飲んでるとき。

ヤバかった。

せっかく旅行!と思ってるのに…
あんな可愛い顔でコテンって…されたら…
たまんねぇよ!

なんてない顔して旅行に誘ったけど。

夜まで、夜まで我慢だ。

頑張れ、俺!

「温泉あるの?」

「ある!露天風呂付きの部屋だぞ!」

「露天…」

ポッと頬を染めたニノ。

夜まで待てっかな~


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