
僕は君を連れてゆく
第35章 空の色
「うまかったな。」
最上階のバイキング会場は、全座席がオーシャンビューで、海を見ながら食事をした。
海の幸はもちろん、ステーキやパスタなんかもどれもとても美味しかった。
お酒を飲むか迷ったけど、せっかくだからと、
地ビールを頼んで二人で乾杯した。
地酒まで勧められて、飲んだらとっても美味しくて。
かなり、ほろ酔いな状態で部屋に戻ってきた。
部屋に帰ってきたら布団が二組、敷いてあった。
その一枚に大野さんは寝転がった。
「フカフカ~」
大野さんがそう言いながら布団をパンパン叩くから俺も隣の布団に寝転がってみた。
「…よ」
「ん?なぁに?」
「…いんや、なんでない。気分悪くないか?ちょっと、飲ませ過ぎたよな?」
「だいじょーぶ。ちょっとフワフワしてるけど…」
お酒を飲んで少し、気持ちが大きくなってしまったんだと思う。
「お風呂、入らないの?」
「あっ?!風呂入る!大浴場も一階にあるみたいだけどどうする?そっちに行くか?広いしな。」
自分からお風呂に誘うなんて、普段なら絶対に出来ないのに。
だけど、きっと、大野さんだって一緒に入りたいって思ってくれてるはず。
それなのに、誘ったら、大浴場に行こうなんて言う。
「一緒に入りたくないの?」
「そんなんじゃないよ。でも…だって…」
「だって?」
隣の布団に仰向けになってる大野さんの顔はよく見えないけど…
あ、
そういうこと?
大野さんは布団をまたパンパンと叩いている。
俺はそれを見て
コロン、コロンと大野さんの隣に寄った。
「こう?」
「そう!」
一枚の布団の上で見つめあう。
さっき、布団を叩いた時、俺が隣の布団に寝転がったから、ちょっと拗ねてたんだ。
「ニノ…」
大野さんの手が俺の頬を撫でる。
「冷たくて気持ちいい…」
俺は目を閉じた。
大野さんが俺を真上に向けさせて、俺に股がった。
だんだん、近づいてくる大野さんの顔。
でも…
なんだか…
気持ち悪い…
