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僕は君を連れてゆく

第36章 やっぱり、君が好き

*相葉



あんまり腹は減ってないとか言いながら
いい感じの固さで茹でてね、とか。

この間のマナブで食べてたやつ、ないの?とか。

ワガママ言い放題だ。

「手伝えよ!」

「やだー」

くそっ!

なんだよ!

同じ仕事をしてきたのになんで俺が!

「いい匂いしてきた…」

よし、これならニノも食べれるでしょ。

「ビールはどうする?」

「頂くでしょ~」

冷蔵庫の中のキリンさんはサッポロへ変わったけれど。
これも気がつくと手に取っちゃうんだよな…

テーブルにビールを出していく。

枝豆、冷奴。

「つまみばっか…」

やっぱり手伝う気のないニノはもう席についていて。

「文句言うなら食うなよ。」

「へいへい!」

野菜炒めを並べた。

「米は?」

「腹減ってないんだろ?ねぇよ。」

ふーん、と、唇を尖らせてる。

「…いただきます。」

両手を合わせて缶ビールを煽った。

「「~くぅ~!!!」」

お互いにおっさんの声をだして視線があって。

歳とったねって。

「うまっ!」

どんだけ、文句を言われても。

お手伝いなんかしなくても。

この空気。

やっぱり、君が好き。


「旨いだろ?」


「相葉さんにしては上出来!」


「なんだとっ!」



おわり



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