僕は君を連れてゆく
第37章 背中合わせ
車を駐車場にとめて潤はさっさと部屋に帰っていく。
酔ってない…の?
まさか、酔ってるフリして、わざわざ迎えに行かせたってこと…?
やっぱり、そうだよね。
2年ぶりの…
玄関の鍵を開けた潤はやっぱり、スタスタと部屋に入っていく。
「ちょっ、待って…」
後を追って部屋に入る。
「お風呂、入るでしょ?」
「あぁ。」
グラスに水を注ぎ、ゴクゴク喉を鳴らして飲んでいる。
仕事終わりでやや乱れた髪。
少し伸びたひげ。
やっぱり、俺は潤が好き。
「ね…」
「悪い!電話だ!」
携帯を耳にあて書斎に入っていった。
まぁ、そうだよね。
潤だって、2年ぶりなんだもん。
どうやって、誘っていいかわからないよね。
一緒にお風呂、は、ハードル高いか。
潤が飲み残した水を俺も飲んだ。
自分もまだ、着替えてなかったからジャージにTシャツに着替えて。
スーツやら鞄やらを片付けた。
「なぁ、先、風呂入ってていいから。」
書斎から顔を出した潤。
俺は頷いてタオルを片手にお風呂場へ向かった。
「ふぅ~気持ちいい。」
出会った頃の潤はとにかく強引で。
力強い眼差しを向けられる度に目を背けてきた。
あの目を見たら、首を縦にふるしか出来ないから。
でも、その強引さがあって、結婚まできて。
燃えるようなドラマみたいな恋だったなって。
当時を思い出しては恥ずかしくなるくらいだ。
「体、洗おう…」
隅から隅まで。
すぐに抱いてもらえるように。
ヤバい。
大きくなってきちゃう。
「…ぅん…」
ダメ。
自分でしたら。
潤にして欲しい。
「あぁ…我慢…」
思いきり、めちゃくちゃにして欲しい。