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僕は君を連れてゆく

第4章 春の色


「潤くんって本当に優しいんです。世話好きっていうのかな?」

お腹いっぱいとお腹をさすりながら優しく松本くんを見つめている。

「俺が急におしかけてきてもあんな風に受け入れてくれるんですよ。」

「そうなんだ…」

なんとなく落ち着かなくてポケットからタバコをだした。

「吸うならベランダでお願いしますね?」

そう言われちゃったからベランダに出た。

静かな夜。


「俺もいいですか?」

「吸うんだ?」

「いえ。吸わないけど…」

それっきり、黙ってしまった。

「今日は上着なくても平気だな。」

「はい。暖かいですよね。」

「もうすぐ、春だな…」

1本あっという間に吸ってしまった。

もう1歩吸うか迷っていたら

「あのハンカチ…」

「タンポポの?」

「うん。みんな黄色って言うのに大野さんはタンポポって言ったから…」

「えっ?へんかな?」

「ううん。大野さんって春みたいだね。」

「春みたい?」

「うん。春みたい。」

「どーいういみ?」

もう一度目を合わしたら窓を叩く音がした。

松本くんが窓を叩いていた。

部屋に戻ると櫻井が松本くんの作ったペペロンチーノを頬張っていた。

「旨いよ!」

「誉めてもらえて光栄です。櫻井さんはもうあとはお水にしてくださいね?って、キらしてるや…」

「じゃぁ、俺、買ってくるよ?タバコもキレたし…松本くんは櫻井の面倒見てやってて!」

そのまま、玄関を出た。

階段を降りたら、上から
「大野さ~ん!」





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